
サンデーサイレンスを見出し、日本に導いた吉田善哉氏。その慧眼は、今の日本競馬の礎を築いたと言っても過言ではありません。しかし、その息子たちには、父ほどの種牡馬選定における「眼力」はないのでは?という声もあります。
現在の日本の種牡馬事情を見ても、サンデー系(特にヘイロー系)に強く依存した構造が続いており、新たな血の導入に苦戦しているのが現状です。そろそろ父・善哉氏のように、ヘイロー系とは無関係の「真に新しい血」を見出し、大種牡馬候補として導入しなければ、日本の馬産は行き詰まる可能性すらあります。
また、馬場の傾向が変化したこともあり、欧米の種牡馬が従来よりも適応しにくくなっているという背景も否めません。過去のように、海外から即活躍できる種牡馬を探し出すのは、ますます難しくなっています。
一方で、長男の吉田照哉氏がノーザンテーストを導入したことは、実はサンデーサイレンスに匹敵する、あるいはそれ以上に先見の明を感じさせる偉業かもしれません。
近年では、種牡馬選定における「眼力」はあまり感じられないものの、経営手腕やビジネスセンスにおいては父を上回っているとも言えるでしょう。
サンデー系に全振りした繁殖戦略を徹底的に推し進め、社台グループとノーザンファームは世界有数の馬産ビジネスにまで成長を遂げました。
とはいえ、血の飽和が見え始めている今こそ、次の一手が問われる時期。サンデー後の時代を担う「次の答え」を見つけられるかどうか──その鍵は、もはや眼力ではなく、新しいチャレンジ精神と柔軟な発想にかかっているのかもしれません。